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ヒトラー~最期の12日間~

ヒトラー~最期の12日間~ DVD を購入
いろいろ物議を醸し出している2時間超のロング映画

ヒトラー自殺までの12日間を史実に基づいて描かれている
ヒトラーの秘書ユンゲ(2002年死去)の証言と自伝が基礎となる
著書は3部構成

観た感触は悪くないです
ハリウッドのようにヒーローものに仕立て上げたりして、ぶち壊すこともなく淡々としています
エキストラもロシア人がきちんと出ます

全体としては、最後の12日間なので大半が「狼の巣」すなわち地下壕で構成されています
士官が入れ替わり登場するので目まぐるしいし、閉塞感が強いので全体としては息苦しい映画です
12日間は非常に内容が濃く、映画も凝縮されているので見る前に簡単に歴史を復讐しておかないとわかりにくいかもしれない
戦争映画ではあるが、ヒトラーに絞っているのでドンパチ映画ではありません

反対派の団体が言うように、賛美しているとは全く感じません
ヒトラーは孤立し、狂言を吐き、そして自殺する
女性に思いやりある一面も見せるが、それは人間的なものであり賛美ではないと思う
ドキュメンタリーに近いので感想というより、歴史上のヒトラーをどう解釈するかということに尽きるのではないだろうか
このあたりにドイツ人の先入観との剥離があり、問題作といわれるのかもしれない
わたし自身には全く問題ない内容であった(プライドも問題なしと思っているけどw)
ユダヤ人問題もこの映画とは別なので関与していなくても批判の対象とならないと考える


映画とともにメイキングなどが収録されているのだが、こちらと照らし合わせながら観ると非常に面白い
特に印象的なものをいくつか上げよう

ヒトラーの私生活を記録したものがほぼ皆無であることが、彼の印象を悪魔として更に強調している
不思議なまでに、多くの人間が最後まで彼に忠誠を尽くした
ドイツ市民は被害者でもある

ヒトラーのイメージは確かに狂人的悪魔である
その所業は目に余るものがあるのは確かだが、スタッフがいうように彼もまた人間であるのも事実
確かにヒトラーの私生活はほとんどわからず政治的軍事的なことばかりが目に付く
山荘でのプライベートフィルムしか彼の生活を感じられるものがないと指摘しているがそのとおりだろう
有名な写真だが、プライベートフィルムという意味では確かにあれしか観たことがない

熱狂的に支持されたヒトラーだが、演説だけではやはり説明できない
カリスマ的魅力がそこにはあったのだろう
ただ時代背景を考えれば、多少理解できなくもない
大戦後の復興で著しい成果をあげたことを考えると支持されても不思議ではない
失業者であふれていたにもかかわらず、短期間で失業問題を解決したとあればなおさらだ
公共事業によるところが大きく、実際には失業者もまだ多少はいたわけだが大衆には十分効力があったと思う
そして対外への強調路線は若者には勇ましく見えたであろうことは想像に難くない
ヒトラーの予言もカリスマの一端になると思われる

そして、ドイツ市民も被害者であるという監督の言葉は重く感じた
それと同時に敗戦国としての思想の相違を痛感した

どうもドイツは加害者としての思想が相当強いようだ
戦後保証などを見ればその傾向はわかるが予想以上だった
その中で市民の被害は置き去りにされてきたようにコメントからは感じた
日本は原爆問題があるため、市民の問題が大きく取り上げられる機会が多いのかもしれない
監督は日本の印象の中で「戦後の対応は日本のほうがよかったのかもしれない」と言っているが、個人的にはそれは微妙であると思う
良い面も悪い面もあり、敗戦国ゆえの難しさを痛感する
だが市民も被害者という意見は全面的に支持する

ドイツは敗戦国ということもあり、連合国側ではない国の製作ということで一味違ったものがある
歴史に興味がある人はメイキングやインタビューと交えてみるとよいと思う

公開 2006年1月18日 10:39 投稿者 ZARTH
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